初心者の筋肥大に筋肉体操が役立つ2つの理由

筋トレ
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個性豊かな出演者、シュールな演出・ナレーションのため、SNSを中心に面白おかしく取り上げられてきた『みんなで筋肉体操』。
実は、しっかりと考えられた科学的なトレーニング内容となっています。

今回は、『みんなで筋肉体操』が初心者の筋肥大に役立つ理由

  • 筋肥大に必要な2つの刺激が入っている
  • 短時間で効率を上げる2つの動作
    を解説していきたいと思います。
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筋肥大に必要な2つの刺激

筋トレをしてみたいと思う動機は人により様々です。その中でも、メリハリのあるボディを作りたい人は、筋肉を大きく肥大させることが大切になってきます。

筋肉を大きくさせるためには、筋肉に肥大の必要性を感じさせる「刺激」が必要となります。
筋生理学を専門とする東京大学の石井直方教授によると、その刺激は「化学的刺激」と「物理的刺激」の2つに大別されます。

化学的刺激とは

トレーニング動作によって、筋肉内の血流を制限。それにより酸欠状態を生み出します。
そのため筋肉内の乳酸濃度が上昇し、その状態を解消しようと筋肉は水分を吸収してパンパンに張ってきます。
これがいわゆる『パンプアップ』と呼ばれる状態となります。
このパンプアップを起こす動作が化学的刺激となります。

パンプアップは日常生活では起こらない、化学的に過酷な状態を筋肉に与えます。
そしてこの状態が、成長ホルモンの分泌を促進して筋肉を肥大させます。

物理的刺激とは

物理的刺激とは、トレーニング動作自体によって筋繊維に微小損傷のダメージを与える刺激となります。
いわゆる筋肉痛もこの微小損傷によっておこる炎症によって生じます。
ダメージを受けることによる回復過程において筋肉は肥大します。

さらに、微小損傷いわば小さなキズを受け、そこから回復しようとしている筋肉は、化学的刺激で生じた成長ホルモンを与えられることで、物理的刺激単独の場合よりも大きな筋肥大効果を得ることができます。

筋肥大のカギは『速筋』

筋肉には、持久力に優れた「遅筋」と瞬発力に優れた「速筋」の2種類があります。
遅筋は有酸素運動で鍛えることができる筋肉ですが、筋肥大しにくいという特徴があります。
一方、速筋は無酸素運動で鍛えることができる筋肉で、筋肥大に適しているという特徴があります。
このため、筋肥大を目的とする場合には、「速筋」をいかに効率よく肥大させるかが大切になります。

しかしながら、速筋はある程度の強度を必要とする運動でのみ活動する筋肉です。日常生活ではあまり出番がないのが実情です。

そこで、筋肥大をさせるためには速筋を使わせる強度のトレーニングが必要であり、適切な「化学的刺激」は、短時間で筋肉を過酷な条件に追い込み、効率の良いトレーニングの助けとなります。

筋肉体操には2つの刺激が取り入れられている

ここまで、筋肥大に必要な2つの刺激について解説してきました。

筋肉体操の各プログラムでは、主に前半の「スロー」動作で「化学的刺激」を与え、後半のプログラムで「物理的刺激」を与えるように構成されています。

このように、筋肉体操は筋肥大に必要な2つの刺激がしっかりとプログラムされています。

トレーニング効率をあげる2つの工夫

先ほど述べたように筋肥大させるためには、速筋を働かせる必要があり、そのためにはある程度の強度を働かせる必要があります。

一方、筋肉体操は1プログラム5分という短時間の構成で作られています。
そのため、短時間で筋肉を過酷な状態に追い込み、効率よく成果をあげることができるように、その動作にも工夫があります。

その動作が、「ノンロック」と「フルレンジ」となります。
ノンロックとは、筋肉に不可をかける際、関節を伸ばしきらず、常に筋肉に力を入れ続ける動作となります。
筋肉に休む間を与えず、常に収縮させて血管を圧迫することで、短時間で化学的刺激を与えることが可能になります。

一方、フルレンジは、関節を素早く曲げき・伸ばしきるという動作となります。
関節をフルに動かすことで、腱への刺激を強め、短時間で物理的刺激を与えることが可能となります。

このように、筋肉体操では5分という短い時間で効率的なトレーニングができるように、その動作が工夫されています。

筋肉体操の強度について

筋肉体操は、主に自分自身のカラダの重さ、自分でかける抵抗力を使ってトレーニングをしていきます。
ジムなどでバーベルやマシーンを使ってトレーニングを行う場合に比べると、その強度はどうしても小さくなりがちです。
この強度でも、筋肥大は可能なのでしょうか?

筋肥大を効率的に行うためには、高重量を用いた高強度トレーニングが必要と、従来はされてきました。
ところが、カナダのマクスター大学のバード・ミッチェルらの研究により、近年では、筋肥大の効果は「総負荷量」で決まるというのが定説となっています。

総負荷量=トレーニングの強度(重量)×回数×セット数

したがって、筋肥大をさせるためには、高重量は必須ではなく、筋肉体操の強度でもセット数を増やすことで対応は可能ということになります。

特に筋トレ初心者の場合、筋肉体操は最初は1セットでも十分な強度の内容になっていると思います。
経験を積んでいくと、筋肉が追い込まれている感覚がわかってきますので、筋力がついて物足りなくなってきた際にはセット数を増やしていくと良いでしょう。

まとめ

今回は、初心者の筋肥大に筋肉体操が役立つ2つの理由を見てきました。

筋肉体操は初心者が短時間で効率よくカラダを鍛えるためによく考えられたプログラムであることが、わかったかと思います。
あとは実践あるのみです!

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