ゼロから始める基礎解剖学 総論編 第1回 なぜ解剖学を学ぶのか

解剖学

本ブログではこれから整体師を目指す方のために、セラピストに必須の基礎解剖知識を解説しています。

今回は総論編の1回目、「なぜ解剖学を学ぶのか」をテーマに解説していきます。
整体師が解剖学を学ぶメリットについてお話するとともに、筆者おすすめの解剖学書などを紹介します。

 

整体師が解剖学を学ぶ理由

例えば自動車を整備する人たちは、自動車をしっかりと整備できるように、その構造について一般の人たちよりも高度な知識を持っています。

同じように、整体師は人のカラダを整える仕事なので、一般の方よりも、人体についての知識を持つことは仕事上必要なことであり、当たり前といえば当たり前となります。

そう言っては身も蓋もないので、僕自身が思うところの、セラピストが解剖学を学ぶメリットを3つ挙げたいと思います。

その3つとは

  1. 施術効果を上げるため
  2. 事故防止のため
  3. 同業者・他の職種との相互理解に役立つため

となります。ここからは、これらをひとつずつ解説していきます。

 

施術効果を上げるため

原因の把握と適切な手技の選択に役立つ

実際に施術を行うにあたり、気になるのはどのような事なのか、まずクライアントに聞くことが一般的です。

施術者はその訴えから、必要な検査をするなどして、異常のある箇所を推定し、方針を立て、手技を選択していくこととなります。

この際、解剖学の知識を得ていることは、り正確な異常箇所の把握、適切な手技の選択の助けとなります。

適切な手技を選択することは結果として、施術効果を上げることにつながります。

イメージングをすることで手技の正確さが増す

「自分が触れている筋肉や関節をイメージして操作することが上達のコツです」

今まで、手技系からエネルギー系まで、あらゆる著名な施術家のセミナーを見てきました。そのなかで、講師の先生たちが共通して言及する上達のコツのひとつに、「イメージングの大切さ」があります。

解剖学を学び、解剖図を繰り返し見ることで、頭の中でそれをイメージすることができるようになります。
そうなると、自分の頭の中にある解剖図をクライアントの体に投射するようなイメージを持って手技を行うことができるようになります。

このように目的意識を持って施術を行うことで、施術効果をより高めることができます。

 

事故防止のため

例えば、肋骨周囲はその形状を熟知して、適切な力加減で手技を行うことが大切です。解剖学的知識がないままで闇雲に押すことは、最悪の場合、骨折などの事故につながりかねません。

また、運動療法などを行う際にも、目的周囲の構造を十分に理解した上で操作しないと、ケガをさせてしまう、終わったあとでかえって痛みが増してしまうなど、トラブルやクレームの原因になることもあります。

このように、クレームや事故から身を守るという、「施術のリスク管理」のためにも解剖学の知識は、整体師にとって必須となります。

 

他の整体師や職種の人との相互理解に必要なため

解剖用語の知識は、他の整体師や理学療法士・柔整師などとコミュニケーションを取る際の「共通言語」としても必要になります。
それは、海外で仕事をするビジネスマンにとって、英語が共通言語として必要であるのと同じようなことです。

たとえば、外部のセミナーや勉強会で新しいことを学ぼうとするとき。
症例や実技を解説する場合は、解剖学的用語が用いられることが多くなります。
その際に、解剖学の知識がないと、せっかく参加しても知識が深まらない、他の参加者との意見交換がうまくできない、というようなことが起こってしまいます。

また、店舗等に勤務していて、ひとりのクライアントを複数で担当する場合には、カルテなどで記録・情報を共有する必要性があります。
この際にも誰が読んでも理解できるように、申し送りすべき内容を解剖学的用語で記載する必要があります。

このように、解剖学を理解することは、整体師として自分が成長していくため、他者とコミュニケーションを取るためにも必要になります。

 

おすすめの解剖学書など

ここからは、筆者おすすめの解剖学書・解剖学アプリを紹介します。

プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系(医学書院)

イラストが美しく、イメージングに最適の解剖学書です。もちろん解説も詳細です。

本書の他にも『胸部/腹部・骨盤部』編、『頭頸部/神経解剖』編などがありますが、整体師にはまず『解剖学総論/運動器系』編がおすすめです。

一方、百科事典並の大きさの本なので、外出先などへの持ち運びが困難であることが難点となります。

分冊 解剖学アトラス I (文光堂)

コンパクトで持ち運びしやすい解剖学書。カラーイラストと簡潔な解説が見開きの左右の頁に配置されており、必要な情報が参照しやすいです。

その他にもⅡ(内臓)編、Ⅲ(神経系と感覚器)編があります。
整体師としては、まずはⅠ、できればⅢも併せて揃えることがおすすめです。

ヒューマン・アナトミー・アトラス

ヒューマン・アナトミー・アトラス

こちらはおすすめの解剖学アプリです。

書籍の場合、イラストがどれほどきれいでも、描かれた一面からのイメージとなってしまいます。

アプリを用いる長所はなんといっても、自分の望む角度から筋肉や骨、関節部の構造などを見ることができる点にあります。
また、AR(仮想現実)によって、目の前に解剖学標本があるかのように操作することも可能です。

これらは、施術の上達に必要なイメージングを膨らませることに役立ちます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

整体師を志すと当たり前のように解剖学を学ぶ必要性が出てきます。

とりあえず一生懸命勉強することもそれはそれで良いことです。

しかしながら、なぜこれを学ぶ必要があるのかということを予め理解しておくと、覚える上で必要なポイントが見つけやすくなったり、覚えやすくなったりします。

解剖学を勉強する際には、なぜこれを学ぶのかということを、頭の片隅に置きながら学んでみてください。

次回総論編の第2回は、「解剖学用語と関節運動」です。お楽しみに。

ゼロから始める基礎解剖学 総論編第2回 解剖学用語と関節運動
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