整体師を目指すならスクールに通うべき? 判断のための3要素

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「整体師になりたい!」
でも整体スクールに通うべきかどうか迷っている…

この記事を読んでいる方の中には、そんな方もいるかと思います。

整体の技術を初めて学ぶために、スクールに通うべきかどうか。

今回はこの件について、業界歴20年以上の筆者が、最新の業界動向を踏まえてアドバイスしたいと思います。
この記事を参考に、整体スクールに通うべきか否かの悩みの解消に繋がれば幸いです。

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選択を分ける3つの要素

まずいきなり結論から申し上げます。

整体の技術を初めて学ぶために、まずスクールに通うべきとは断言できません。
場合によっては、リラクゼーションサロンなどにいきなり就業するのもアリだと、僕は考えています。

そしてその選択の分かれ目は

  • 実現したいお店のコンセプトの中で整体が占めるウエイト
  • 開業したいと思っている時期までに費やすことのできる時間と資金
    にあると考えています。

まずはこの「ウエイト」、「時間」、「資金」の3つの要素を考えてみることをおすすめしたいと思います。

整体が占めるウエイトを考える

自分が実現したいお店は、整体にどのくらいのウエイトを置いているのかを、まずは考えてみてはどうでしょうか。

例えば、お店のメインはマンツーマンのヨガセッションであり、ボディケアの一環として整体も取り入れたいといったケースがあるとします。
このように、整体オンリーではなく、他にメインにしたいコンセプトがあり、その中の一部として整体も取り入れるような場合。

このように、想定している事業において整体の占める場合が大きくない場合は、効率よく基礎を学べるスクールは検討に値する選択肢となります。

一方、整体をメインにしたお店を考えている場合。
中でも、単なる癒やしではなく、様々な症状を改善に導くことができるセラピストになってお店を開業したいと考えている場合。
この場合は、以下に述べる「時間」と「資金」について、考えてみることをおすすめします。

就労できる時間はあるか?

20年ほど前は個人経営の整体店が多く、未経験者を採用してくれるところは多くありませんでした。
そのため、整体師を目指すにはまずスクールに行って、その後どこかの整体院で経験を積むというのが一般的でした。

ところが現在では、大手リラクゼーションチェーンが数多く店舗を構えており、未経験者でも積極的に採用・育成しています。
このような所では、こちらが費用負担することなく(逆に少なくとも最低賃金をもらいつつ)、クライアントからお金をもらえる少なくとも最低限の技術を、教えてもらうことができます。

また、整体の技術を上達させるためには、その技術を知っているだけではなく、どれだけ実践経験を積んでいくかということも大切です。
割と早くから現場に立つことが求められる、こうした店舗で就労することは、経験という点からも利点があると言えます。

あなたがこうした店舗に就労できる環境にあるのであれば、最初はスクールに行かず、まずは業界で働いてみるというのも悪い選択肢ではないと思います。

一方で
スクールならともかく、こうした店舗に就労する時間が作れないという方。
現在の仕事や待遇を変えて、こうした店舗に就労することには抵抗がある方。

こういった方は、スクールに通うという選択肢に絞られてくると思います。

資金は十分にあるか?

次に資金面について考えてみることをおすすめします。

ここで言う資金とは、開業資金のことではありません。
それとは別で、開業できる技術になるまでの「学び」に投入できる資金のこと、すなわち自己投資できる資金のことです。
これが十分にあるかどうかを考えた方が良いでしょう。

その理由をこれから述べていきます。

ひとつの技術では不十分

まず最初に、指摘しておくべきことがあります。

それは最初に就労するにせよ、スクールに通うにせよいずれの場合も、そこで得たひとつの技術だけを元に開業しようとすることは、経営上の困難がつきまとう可能性があるということです。
様々な症状に対応できる技術を身につけて、それを特長にできるセラピストになりたいと考えているならば、この点は特に意識しておいてほしいと思います。

先ほど、現在は未経験者でも割と容易にリラクゼーション業界に就労が可能であると述べました。
実際その通りです。
しかしながら、大手リラクゼーションチェーン店で習得できる技術のレベルには限界がある、と思っておいたほうが良いでしょう。

多額の費用をかけてブランディングして、低価格で多数をこなすことで収益を上げるビジネスモデル。そのような場で提供されているサービスを個人開業のお店でそのまま提供する。
果たしてそれでうまくいくでしょうか?

例えて言うなら、個人でレストランを開きたいと思う人が、ファミレスで提供されているメニューを習得し、完璧に再現できたとして、大きなブランド力もないのにそのレベルでうまくやっていけるかというようなことです。

どうでしょうか?

じゃあ基礎から実践まで教えてくれるスクールが良いんじゃない。
そう思うかもしれません。

それも一理あることを否定はしません。
しかし、そのスクールに歴史があり卒業生が多くいるほど、同じことをしているセラピストがたくさんいることになります。
この点は、独自性の観点からはデメリットになります。

またよほどセンスのある人でない限り、基本的に技術のレベルは経験に比例します。
ですので後発の人はその技術だけでは、いつまでも先駆者にはかなわないこととなります。
業界の競争が激化している今、このことは不利になれど有利にはなりません。

このように、ひとつの技術を学んだだけで開業することにはリスクがあることを、まずは理解しておいていただきたいと思います。

資金が十分でない場合は「実践的な学び」に重点投入を

ここで改めて、自己投資できる資金について考えてみてください。

開業資金とは別に、自己投資できる資金を数百万円用意できるという方や、すでに用意できているという方。
または、安定した収入源があり、今後このくらいの額を用意する目処が立つ方は特に問題ありません。
前半で述べた、整体のウエイトと就労できるかどうか(就労したいか)を考えて、スクールまたは就労のどちらでも構わないと思います。

問題は自己投資できる資金にそこまで余裕がないという方です。
このような方は、初歩の整体技術を学ぶことにお金をかけすぎない方が良いと考えます。

上の方で述べたとおり、ひとつの技術を学ぶだけで開業することには、リスクが伴います。
他のセラピストに対して技術面で独自性を発揮しようと思うならば、複数の実践的な技術の習得が望まれます。

そのため、限られた資金を初期段階で投入するのではなく、コストを抑えて初歩技術を学び、より実践的な技術を学ぶためのセミナーなどに、重点的に資金を注ぐことをおすすめします。

コストを抑えて初歩技術を学ぶ最善の方法のひとつは、やはりリラクゼーション業界への就労となります。

繰り返しになりますが、現在は未経験者でも採用してもらえる機会が増えています。
就労して賃金をもらいつつ初歩技術を学ぶ。
そしてステップアップとして、自分の理想や課題にあった実践的なセミナーなどを見つけて、そこに参加する。そしてそこで実践的な技術を習得していく。
自己投資できる資金が十分に用意できていない方には、このような道のりがベターであると、僕自身は考えています。

しかしながら資金が十分でなく、かつ業界で就労することも不可能という方もいるかと思います。
この場合はやはり、スクールに通うしかないと思います。
その上ですこしずつ、実践的な技術を学ぶための資金を確保して、学びを進めていくことをおすすめします。

まとめ

整体の技術を初めて学ぶためにスクールに通うべきかどうかについて、僕自身の意見をここまで述べてきました。

ここで考えるべきステップを改めてまとめておくと、

ステップ1想定している事業における整体のウエイトを考える

  • ウエイトが高くない →スクールがおすすめ
  • 整体がメイン →ステップ2へ

ステップ2リラクゼーション業界に就労できる時間があるか考える

  • 時間なし →スクールがおすすめ
  • 時間あり →ステップ3へ

ステップ3自己投資できる資金が十分あるかを考える

  • 十分ある →就労・スクールどちらでもよい
  • 十分とはいえない →業界への就労がおすすめ

となります。いかがでしょうか。

もちろん、こう書いてあるけど自分はこう思う、というのも決して悪くはありません。
セラピストに限らず、開業を志すに際に大切なことは、自分で主体的に選択し、結果に全ての責任を負っていくことだと思います。

そういったことも踏まえつつ、今回の記事をひとつの意見として選択の際の参考にしていただければ幸いです。

 

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