果報は寝て待て⁉ レジェンド達が提唱する アイデアづくりのヒケツとは

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  • 良いアイデアが浮かばない
  • 悩み事の解決策がみつからない

こんなこと、よくありますよね。

こういう時に参考にしたいのが、アイデアのレジェンド達の思考ノウハウ

今回は、みなさんの創造力向上や悩み解消に役立つ二人のレジェンドの思考法を、最新の脳科学の情報とともに紹介します。

何か新しいアイデアが必要なとき。悩み解決の方法を必要としているとき。
そんな時、この記事を読むことで解決への糸口がつかめるかもしれません。

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果報は寝て待て⁉

今回は、アメリカの伝説のコピーライターであるジェームス・W・ヤング氏と、累計258万部のベストセラーを執筆した日本の評論家、外山滋比古氏のノウハウを紹介していきます。

それぞれ個別に紹介する前に、まずは双方のノウハウに共通する点を結論として紹介しておきます。それは

アイデアづくりには考えることを放置する時間が大切だ

ということです。
いわば「果報は寝て待て」ということになります。

レジェンド2人は、「経験的に」このことの重要性に気づいてきました。
一方で、この放置するということが、「科学的にも」有用であると近年あきらかになっています。

ここからはまず、2人のレジェンドの著作とその内容について紹介していきます。

「アイデアのつくり方」 ジェームス・W・ヤング

この本は1965年に初版が刊行されて以降、アイデア発想のバイブルとして、半世紀に渡って読みつがれている不朽の名著となっています。

著者であるジェームス・W・ヤングは以下のような経歴を持っています。

アメリカケンタッキー州生まれ。配送係や事務員、速記者などさまざまな職業を経験したのち、広告会社J・ウォルター・トンプソン社に入社。
コピーライターとして活躍後、1917年に同社副社長に就任。
その後42歳で引退し、シカゴ大学で教壇に立つほか、アメリカ広告代理業協会会長やアメリカ広告審議会会長などを歴任しました。

どんな事が書かれているのか、内容を一部紹介したいと思います。

アイデアとは

アイデアつくる作業とは、ゼロから何かを生み出すことではありません。

そうではなく、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」とヤングは述べています。

このように、アイデアとは今あるものを組み合わせて新しいものを作り出す作業である、というのがヤングの考え方です。

アイデアを生み出す方法

それではどのようにして、新しい組み合わせを作っていけばよいのか。
ヤングは次の5段階で、アイデアを具体化することを勧めています。

  1. 課題を解決するための資料と一般的な知識の資料を絶えず集めること
  2. 集めた情報をどのように組み合わせるか、組み合わせることができるか、頭の中で咀嚼すること(浮かんだ組み合わせは紙に書いておくとよい)
  3. 一旦すべて考えてきたことを横に置く。意識の外に出す
  4. 絶えず考えておき、ひらめきを待つ。(そうすると、突飛な時にひらめく。)
  5. ひらめきとして出てきたアイデアを具体化して展開する

このように、アイデアを生み出すためには、

 

資料収集 →資料を元に思考を巡らす →問題を心の外に放置 →ひらめきの時が到来する →具体化する

という手順を踏むことをヤングは提唱しています。

「思考の整理学」 外山滋比古

「思考の整理学」は1986年に刊行。その後35年で258万部以上売れているベストセラーです。
近年では「東大・京大で一番読まれた本」として紹介されていることでも有名です。

著者の外山滋比古氏は1923年生まれ。文学博士、評論家、エッセイストであり、東京教育大学やお茶の水女子大学で教鞭をとっていた方です。思考論・日本語論の分野で独創的な仕事をなされてきました。その後2020年に亡くなられています。

これからの時代、受け身で知識を得る力を養うことを重視するだけでなく、物事を自分で発明・発見する能力を養っていくべきでは。

という問題提起に基づいて、思考を深めるための著者独自の時間の使い方や、人つきあいの方法などについて披露しています。

今回はそんな本書の中の一部である「アイデアを生み出す時間の使い方」について紹介します。

アイデアを生み出す時間の使い方

外山氏は次のような趣旨のことを述べています。

「見つめる鍋は煮えない」という、外国のことわざがあります。
思考も同様で、考えつめすぎると、出てくるべきアイデアも出てこなくなります。大きな問題になるほど「寝かせる時間」を長く設けるべきです。

このように、思考の過程でいちばん大切なことは思考を「寝かせること」であると、外山氏は述べています。

先にあげたヤング氏と同様、無意識の時間を戦力的に活用することを勧めています。

ここまで見てきたように、日米2人のレジェンドは自らの経験をもとに、考えること放置する時間が大切であるということを説いてきました

そしてこの「考えない」ということが脳にもたらす作用も、科学的に明らかになりつつあります。
次はこの点について見ていきましょう。

考えない=DMN

最近の脳科学の研究によると、ボーッとしているときに活性化する神経回路が、人間の脳にあることがわかっています。

それがDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)と呼ばれる神経活動です。
そしてこのDMNの働きは人間の「創造性」と深い関わりがあることが明らかになりつつあります。

DMNは創造力を活性化する

DMNは脳内の情報を整理するはたらきがあり、さまざまな情報を再結合させることに役立ちます。そしてそのことにより、新しいアイデアが生まれやすくなるというメリットがあるそうです。

つまりDMNがはたらくと、創造力が活性化されます。

ちなみに、人間がDMNモードになっているとき、いわば脳がボーッとした休憩状態であるにもかかわらず、体のエネルギーの20%がこのモードのために使用されているそうです。

このように、「思考を意識の外に出す」、「思考を寝かせる」といったレジェンド達の方法は、脳科学的にも有用であることが最近の研究でわかってきています。

まとめ

ここまで見てきたように、アイデアを生み出すためには、あえて考えることを放置するということが大切なようです。

このことは、思考法のレジェンド達によって経験的に伝えられてきましたが、科学的にもそれを裏付ける研究が出てきています。

何か悩みを抱えているとき。
そんなときは、ついついそのことばかり考えてしまいがちですが、これまで見てきたようにそれはあまり得策ではないようです。
こんな時には、あえて何も考えずボーッと過ごしてみて、DMNを活性化してみてはいかがでしょうか。

 

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